朝起きてTwitterを確認したら、サンエーが台風の影響で全店臨時休業するという内容がトレンド入りしていました。
サンエーとは、沖縄の大手スーパー。
台風6号が接近していて、その影響を考慮しての発表のようです。
沖縄にとって台風とは、毎年必ずおとずれる自然災害。身近であり、だからこそ関心も高い。大変だけど、子供心にはちょっとドキドキわくわくしたイベントのようなものでした。
沖縄県民の台風
仕事や学校への影響
あなたが想像する台風は、沖縄県民が想像する台風とはかけ離れているかもしれません。
でも最近は、九州や関西に大きな台風が直撃して、川の氾濫や土砂崩れが起こっているよね。雨が降って大変というイメージは同じじゃないかな
近年、台風による大雨被害が本土でもよく聞かれるようになりました。でも、それは大雨による「川の氾濫」「土砂崩れ」などであり、異常発達した熱帯低気圧による場合もあります。
「台風」というより「大雨」の被害。
台風というのは、中心に「暴風域」というものを持つように、恐ろしい強風がその実態といっても過言ではありません。実際、雨はあまり降らないけれど、強い暴風による台風被害は多くあります。
台風で発生する暴風では、車もひっくり返るし、街路樹もあちこち倒れます。電柱が倒れることもあるし、ビニールハウスやトタン屋根が風でボンボン飛ばされることも珍しくありません。
台風時の暴風の中で出歩くのは、かなり危険です。
そのため、沖縄の学校や職場では、ある一定の条件で台風時にはお休みになるルールが設けられていることが多いです。一番わかりやすいルールは、「公共交通機関である路線バスが運休になったら休み」というもの。
どうやって、路線バスは運休を決定するのかというと、
沖縄本島の路線バスについては、沖縄県バス協会において乗合バス四社で対応を協議し、運行の継続・中止・再開を決定することになります。
引用 東陽バス株式会社HPより
運行の中止・再開が決定された場合は、速やかにマスコミを通して発表されます。
発表は通常「全営業所●:●以降に発車の便より運行中止」との形で発表されます。したがって、運行中止時刻の前に営業所から発車するダイヤについては、そのまま運行が継続されます。
※乗合バス四社とは、琉球バス交通・那覇バス・沖縄バス・東陽バスの四社です。
バス会社で協議して決めているんですね。
子供の頃は、テレビのテロップに路線バスの運休情報が流れると「やったー休みだ」と二度寝したものです。
沖縄路線バスとモノレールの運行状況に関してはこちらを確認
一般社団法人沖縄県バス協会
ゆいレールホームページ
※路線バスの運休は、休みの基準にはなりますが、絶対ではありません。休みになるかどうかは、必ず職場に確認をとるようにしましょう。
お店への影響・買い出し
台風が来ると知ったら、まず買い出しをします。
先ほどもお話ししたように、暴風域に入るとバスが運行できなくなるぐらいですので、お店も閉まります。そこで、早めに食品や停電した際に必要な物をそろえなければいけません。
沖縄では、「”ユニオン”が閉まったらヤバイ」という言葉があります。
県内のスーパーの中でも、滅多なことでは休業しない「ユニオン」
そこが閉まったら、今回の台風の規模はかなり大きい、と判断する県民が多いのです
台風時に買っておくもの
- パンやカップ麺などの、冷蔵庫にしまわなくてもいい食べ物、水
- 懐中電灯や携帯ラジオ、またそれに使う電池
- 電池が切れたときに備え、キャンドルなどもあるといい
- モバイルバッテリー
- カセットコンロ、ガスボンベ
買い出しのポイントは「停電」した場合に備えること、です。
停電に備える
台風なのに、なぜ停電に備えるの?
なぜ、台風が来ると停電するのか。
それは、暴風により様々なものが飛ばされて電柱に引っかかるからです。また、電線が切れたり、電柱が倒れたり、復旧作業をしたくても、暴風域に入っていると屋外作業は困難になります。
台風が過ぎ去っても、停電復旧に数日かかることもあるよ
台風が来るときは、風に飛ばされそうなものは家の中にしまいましょう。そうすることで、停電被害を減らせます。
台風の停電状況に関してはこちらを確認
沖縄電力
2~3日分の食料と水は確保しておいたほうが無難だね
食料だけじゃなく、お風呂は早めに済ませておいたり、湯船に水を溜めておいたり、冷蔵庫の中身を減らしておいたりなど、電気が使えない影響を様々考慮する必要があるよ
電気が使えなくて、困る場面はたくさんあります。特に情報を得るためにも、スマホの充電はしっかりしておきましょう。また、モバイルバッテリーを備えておくことが重要です。
モバイルバッテリーは普段使いもできるし、いざという時、必ず役に立ちます。災害用なので、重さは気にせず容量の大きいものを準備しておきましょう
このモバイルバッテリーは、持ち運びするには重たいです。でも、30000mAhの大容量で2台同時充電が出来るので、災害用に備えておく場合には非常に最適です。
僕たちは、災害用に買ったけれど、キャンプに行くときに使っているよ。日常使いすることで、使い方に慣れることが大事です
東京から見た沖縄の台風
沖縄県民にしか伝わらないhPa(ヘクトパスカル)
職場で「今度の台風6号は、中心気圧935hPa(ヘクトパスカル)だから、かなりやばいね」と話すと、
「へ、ヘクト…なに?」
と聞き返されました。
台風の強さを、hPa(ヘクトパスカル)で見ているのは、沖縄県民特有のようです。
ヘクトパスカルとは、中心気圧のことです。沖縄にいた時は、台風が来たといえばまず先に見るのが、このhPa。これが950以上であれば様子見ですが、900の前半ともなれば、かなりの大型台風。早め早めの準備をするわけです。
甚大な被害をもたらしたと言われる「伊勢湾台風」は、929hPaでした。ヘクトパスカルだけでは、台風の強さそのものを表すわけではありませんが、目安にはなります
出社基準が明確ではない東京
東京にきて思ったのは、自然災害時の出社マニュアルがきちんと確定していないことです。
台風が来たら、大雪が降ったら、その時々に責任者がどうするか決める流れが多い。でも、責任者も明確な基準がなく迷う場合が多いように感じます。
とりあえず、出勤できるのは誰かと考えます。
え? 休みにすればよくない?
違うんです。東京の人はどう出社するかを考えるのです。
会社に行くのが困難なら、前日に近くのホテルに泊まれば良いという考えです。
休むにしても、閉めるにしても、とりあえず指示がなかったら出社です。出社した後に、ちょっとこれはやばいから早めに帰りましょうとなります。
いや、もう来ているのに。
今から帰る方が危険なのに。
みんな同じ考えだから、電車も混みますし、そもそも止まってませんか?ってなります。
人の命の方が大事なのになと少し思います。
でも、そこは大都会東京。経済を簡単に止めることは許されないのです。
休むに休めない東京。いや、これは日本人全体の考え方でしょう。責任感が強くまじめ。だから、相対的に沖縄県民が「いい加減」に見えるのかもしれません。命に係わることなんだから、休める体制を整えるべきなんだけどなぁ。
まとめ
沖縄にとって台風とは「仕事や学校」が休みになるほどの災害という認識です。
- 公共交通機関(路線バス・モノレール)の運休が、休みの基準となっている
- お店も閉まるので、事前に必要な物を買っておくこと
- 停電を想定して、台風に備える
ただ台風は、地震などの災害と違って「前もって」来ることがわかる災害です。
然るべき対策をとり、きちんと備えることが出来ます。
慌てず、対応していきましょう。
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