はいたい!東京10年目の管理人ミツです。
沖縄から東京に来て驚いたことは多々ありますが、まず最初の関門が「駅」です。
その中でも、今回は「エスカレーター」についてお話ししようと思います。
エスカレーター。あなたは、右派ですか。左派ですか。それとも、沖縄タイプですか。
東京は左側に並ぶ
先ほどの質問。東京の方なら間違いなく「左側」と答えるでしょう。
東京では、エスカレーターは左側に寄って並ぶのが一般的です。
最初に東京駅に着いたとき。田舎者の私は、その長いエスカレーターにびっくりしたものです。
そして、当然のように左側に並んでいく人々。とりあえず、前の人についていって左に並ぶ私。その横を、颯爽とかけあがるサラリーマン。
右側を使う人は、この長いエスカレーターで止まることは許されず、ひたすら上っていきます。
が、前方で立ち止まっている旅行客。足止めをくらったサラリーマンが舌打ちをしています。
こ、こわい。東京は怖いところだ…
右側はどうやら追い越しレーンのようです。田舎者の私は(2回目)、決して右側で立ち止まらないようにしようと決意したのです。
ところで、どうして東京ではエスカレーターの左側に並ぶのでしょう。
色んな説があると言われていますが、大きく次の2つの理由があげられます。
侍文化が引き継がれた説
1つは、江戸時代に「侍が左側を歩いていたこと」に由来しているようです。
侍は左側に刀を差していますね。右側通行で歩いていると、大事な刀が人にぶつかってしまいます。それが同じ侍で、刀と刀がぶつかってしまったら…。それは決闘を意味し、命を落としかねません。
そのため、侍は左側を歩いていました。その文化が、現代の東京でも引き継がれているのでは、という説です。
道路交通法に合わせた説
もう一つ、有力だと言われているは「道路交通法に合わせた説」です。
戦後、道路交通法が改正されて日本の車は左側通行に変わりました。日本では二車線の場合、左側が一般走行、右側が追越車線となります。
エスカレーターの片側を空けるのは、急いでいる人が追い越しをするため。
そのため、車道と同じように「追い越したい人は右側を歩く」のが一般的になったようです。
大阪は右側に並ぶ
一方、大阪では、エスカレーターは右側に立って並びます。
ある日、大阪に出張に行っていたハチさんを東京駅に迎えに行ったところ、自然な流れでエスカレーターで右側に立ちました。
あ。違う違う。ここじゃなかった
急に右側で立ち止まるからびっくりしたよ~
大阪ではずっと右側だったから、つい。後ろの人に怒られるところだったよ(;^ω^)
これは、大阪に出張や旅行に行った後の「東京あるある」のようです。
日本の主要都市である「東京」と「大阪」で、なぜエスカレーターの立ち位置が変わるのでしょうか。
大阪で右側に立つ理由も色々あるようです。特に有力なもの3つをご紹介します。
商人文化が引き継がれた説
これは、東京の侍文化に対して、大阪は商人が多かったことからその文化に合わせた説です。
商人は、そろばんや帳簿、お金などを右手に持つ文化がありました。また、手に持っていない時は懐に入れていました。
そのため、右手に持ったものを盗られないように、また右側から懐に手を入れられて財布が盗まれないように、他人の右側を歩くようになったというわけです。
右利きの人が多かったから説
エスカレーターの片側立ち。実は、これを始めたのは大阪の阪急電鉄なのだそうです。
高度経済成長期の大阪。駅を利用する人々は増え、その足取りは忙しいものになりました。
止まって乗りたい人と、先を急ぐため歩きたい人。そんな両者のために、こんなアナウンスが流れました。
「お急ぎの方のために左側をお空けください」
これがエスカレーターの片側立ちの始まりです。
なぜ、【左側を空けるように】アナウンスしたのかというと「日本人は右利きが多いため」右側に立てば、手すりに掴まりやすいと考えたようです。
大阪万博がきっかけになった説
これは、右側立ちを広めたきっかけとして有名な説です。
昭和45年(1970年)に開催された大阪万博。各国から大勢の人が押し寄せる会場で、国際基準であった「右側に立ち、左側を空ける」ルールを呼びかけました。
海外では、車も右側通行のところが多いからね!
その時のルールが、大阪にそのまま根付いたというわけです。
こうやって東京と大阪を比べてみると、東京は「日本基準」大阪は「国際基準」に合わせている感じだね~
本当は、片側に立つとエスカレーターの故障の原因になるから両方に立つのがいいらしいけど(;^ω^)
主要都市では人も多いからね。ゆっくりしたい人と急いでいる人、分けた方がスムーズだから仕方ないね
沖縄は横並びが主流?
では、沖縄はどこに立つのが正解でしょう。
答えは「決まっていません」
強いて言うなら、横並びが正解でしょうか。各々、自由に乗っているイメージです。
その理由は2つあります。
そもそも、エスカレーターが少ない
1つ目は、そもそも「エスカレーターが少ない」ということです。私の記憶でエスカレーターは、ショッピングモールの中にあるぐらい。それ以外でどこで乗るかと言われると、うーん。。となります。
なので、エスカレーターで「どちら側に立たなければいけない」というマナーがあることすら知りませんでした。
前の人を追い越すほど急いでいない
2つ目は、「前の人を追い越す場面が少ない」ということです。
これは、1つ目にも関連しますが、エスカレーターがショッピングモールぐらいしかないため、急ぐ必要がないのです。
駅があれば、通勤通学で急ぐこともあるでしょう。でも、沖縄にはそもそも電車がありません。
エスカレーターに乗る場面は、家族や友達とののんびりとしたお買い物中です。そんな時に急ぐ人などいません。
友人とショッピングモールのエスカレーターに乗るときは、互い違いに立って向かい合っておしゃべりしていることが多いなぁ
確かに。沖縄だとミツさん、普通に隣に並んでるよね。あと、手すりにもたれてること多い
あ、あんまり行儀は良くないけどね(;・∀・) 気楽に乗っているよね
まとめ
沖縄の人はエスカレーターのどこに乗るのか、をご紹介しました。
- 東京では左側に立つ
1.刀がぶつからないよう左側を歩いた侍文化の影響
2.日本の道路交通法が左側通行だから、それに合わせた - 大阪では右側に立つ
1.右手に持ったお金や帳簿を盗られないよう、右側を歩いた商人文化の影響
2.右利きの人が手すりに掴まりやすいよう、駅で「左側を空けて」とアナウンスがあったため
3.大阪万博で、国際基準の右側通行を浸透させたため - 沖縄では決まりはない
1.そもそもエスカレーターが少ない
2.追い抜くほど急いでいる人がいない
いかがでしたか。
沖縄の人が「のんびりしている」と言われる意味が少しわかったような気がしませんか。
エスカレーターで「急いでいる人を優先させるため」どちら側を空けますか、という質問自体が沖縄には当てはまらないんだね
学校や仕事で焦る気持ちも分かるけどね。でも、焦るといいことはないよ
沖縄のおばぁの家に行くと、いつも「お茶飲んでいきなさい」と座らされました。
「荷物届けに来ただけだし、急いでいるから、もう行こうね~」と言っても
「だめだめ。はい、だぁ。お茶ぐわぁ飲んでいきなさい!」と怒られます。
これは、どんなに急いでいても、お茶の1杯ぐらい飲む余裕を持たないと事故を起こしかねない、という意味があるそうです。おばぁの言葉って深いなぁ。
さ、今日もお茶を1杯飲んで、心を落ち着かせていきましょう。
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